本年度は、前年度に引き続き、ブロックシーケンスの精密設計を軸足とし、半導体高分子鎖を有する新規ブロック共重合体の創成を行った。具体的には、精密重合法と鎖末端官能基化ポリマーを用いたアジド・アルキン環化付加 (CuAAC)反応を組み合わせることで、半導体高分子鎖を有する新たなシーケンス制御トリブロック共重合体 (ABC型、(AB)n型、ABCBA型等)の合成に成功した。また、得られたシーケンス制御ブロック共重合体の諸特性及び有機エレクトロニクスデバイスの評価を行った。その結果、(AB)n型の薄膜では80%の伸長歪み、ABCBA型の薄膜では100%の伸長歪みにそれぞれ耐えられ、後者は伸縮性に富んだ有機光トランジスタメモリ材料に応用可能であることを明らかにした。
|