研究課題/領域番号 |
21H02019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 京都大学 (2022-2023) 関西学院大学 (2021) |
研究代表者 |
畠山 琢次 京都大学, 理学研究科, 教授 (90432319)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | OLED / 色純度 / 熱活性化遅延蛍光 / 有機ホウ素化合物 / エネルギー変換効率 |
研究成果の概要 |
これまでにホウ素と窒素の「多重共鳴効果」により,励起一重項状態(S1)と励起三重項状態(T1)のエネルギー差の縮小と励起状態における構造変化の抑制に成功し,色純度に優れた青色発光を示す熱活性化遅延蛍光(TADF)材料の開発に成功している。本研究では,この分子設計の下,分子構造を最適化することで,青色TADF材料の逆項間速度の向上に加えて,緑色・赤色の狭帯域TADF材料を開発した。さらに,合成した発光材料を用いてエネルギー変換効率と色純度に優れたフルカラー有機EL素子(OLED)の開発に成功した。
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自由記述の分野 |
有機材料化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
OLEDは,ディスプレイ分野での実用化が進んでいるが,エネルギー変換効率に課題を残しており,高効率なTADF材料の開発が盛んに行われている。一般的なTADF材料は幅広な発光スペクトルを示すという欠点があるが,本研究で開発した青色・緑色・赤色TADF材料は,20~40 nm程度の狭帯域発光を示すことから,ディスプレイ応用において光学フィルターにより余分なスペクトル領域をカットする必要がなくなり,エネルギー変換効率の大幅な向上,それに伴う消費電力の抑制が可能となる。これに加えて,最大輝度の向上や高精彩化も可能となり,社会的に大きな波及効果が期待できる。
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