本研究では、二次イオン質量分析法(SIMS)を電池材料の拡散機構を解明するための技術として利用し、Li移動を可視化することを目指した。同位体交換SIMSのモデル材料として、ペロブスカイト型LLTO多結晶を用いた。低温でリチウム拡散を凍結し、SIMS測定を行うことで、粒界部分で同位体濃度が大きく変化する様子を観察した。リチウム拡散の解析から、結晶粒子内の拡散係数と比較して粒界では5桁も拡散係数が小さくなっていることが明らかになった。さらに、オペランドSIMSにより固体電池正極のリチウム分布の変化がリアルタイムに観測できることが実証された。
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