研究課題/領域番号 |
21H02077
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
大神田 淳子 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (50233052)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 天然変性蛋白質 / 蛋白質間相互作用 / リン酸化翻訳後修飾 / 概日時計転写因子 / フシコクシン / 不可逆的阻害剤 / 植物成長促進剤 |
研究成果の概要 |
生理条件下において一定の構造を持たない天然変性たんぱく質(IDP)は、生体反応の担い手として極めて重要であり、種々の疾患に関わることから新たな創薬標的として注目されているが、実験的な困難さから合理的なIDP創薬戦略は存在しない。本研究では、親電子反応性ライブラリを調製し、概日時計転写因子BMAL1ならびにCLOCKの相互作用を有意に阻害する化合物を同定した。また、リン酸化IDPの制御蛋白質14-3-3に着目し、特定のシステイン残基に反応する14-3-3シグマ選択的な蛍光標識剤を創出した。さらに、植物孔辺細胞中のIDP相互作用を安定化させる化合物を用いて植物成長を促進させることに成功した。
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自由記述の分野 |
ケミカルバイオロジー
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
天然変性蛋白質(IDP)についてはその生物学的役割の重要性と多様な疾患との関りが明らかにされつつある一方で、構造情報が欠けまた実験的な扱いが難しいことから従来の創薬技術が適用できない創薬困難な標的として知られる。本研究の成果は、IDPの制御においては共有結合反応性の不可逆的阻害剤の有効性を示した点、IDPの制御因子側に着目した化学戦略によりIDP選択的な化学制御の可能性を示唆した点、さらに植物体内のIDP相互作用の安定化により個体成長を促進可能であることを証明した点において、創薬及び農学の見地から学術的意義および社会的意義があると考えられる。
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