研究課題/領域番号 |
21H02078
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
築地 真也 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40359659)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | メンブレンコンタクト / 蛍光プローブ / 局在性リガンド / 化学二量化剤 / 分割型タンパク質 / ホスファチジルイノシトール 4-リン酸 |
研究実績の概要 |
本研究では、細胞内のメンブレンコンタクトを特異的に可視化および操作することのできる新規ケミカルバイオロジーツールを開発することを目的とする。本年度は下記の成果を達成した。 1)ホスファチジルイノシトール 4-リン酸(PI4P)に対する新規蛍光プローブの開発:小胞体(ER)膜と細胞膜(PM)間で形成されるコンタクトの重要な機能の一つとして、ORPを介したPI4Pの交換輸送がある。この生理機能を解明するためにはPM PI4Pの動態を可視化するプローブが必要であるが、既存のPI4PプローブはPM PI4Pの検出には不向きであった。本年度はこの課題に取り組み、PM PI4Pを高効率に検出・可視化することのできる新規蛍光プローブを開発した。 2)ER-PMコンタクトの可逆的操作システムの開発:本年度は、申請者が以前に開発した可逆的なタンパク質二量化ツールを応用することで、ORPを介したER-PMコンタクトを二種類の化合物添加によって可逆的に誘導・解消することのできる化学遺伝学コンタクト操作システムを構築した。また、1)で開発したPI4Pプローブと併用することで、ORPを介したER-PMコンタクトの誘導・解消に伴うPM PI4P動態をリアルタイムに可視化できることも実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述のように、本年度は、ER-PMコンタクトの可逆的な操作と、それに伴う脂質(PI4P)動態変化の可視化のための新ツールを開発することに成功した。特に、初年度と本年度で得られた知見・ツールは、ER-PMコンタクト以外のコンタクトの機能解析にも展開できる汎用性の高いものである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は初年度と本年度で得られた知見・ツールを発展させることで、メンブレンコンタクトの操作・可視化ツールのさらなる最適化・拡張と、それらを利用したコンタクト機能解明研究に取り組む。
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