研究課題/領域番号 |
21H02083
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
中島 芳浩 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (10291080)
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研究分担者 |
横田 一道 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (50633179)
宮田 椋 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (20981426)
于 躍 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (90881631)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ルシフェラーゼ / ストレス応答 / クロストーク / 細胞内ネットワーク / リアルタイム発光測定 |
研究実績の概要 |
本研究は独自に創出した多色リアルタイム発光測定法により、ストレス惹起時に起こるストレス応答経路の動的変動を捉え、ストレス応答経路間のクロストークを明らかにするとともにネットワーク構造を作成することを目的とする。今年度は、これまでに樹立した各種ストレス応答評価用発光細胞を用い、薬剤、天然物等のストレス応答に対する影響とクロストークについて解析を行った。最初に、抗炎症、抗発がん活性等が報告されているセダノライドのストレス応答経路への作用について解析した。各種のストレス応答評価用発光細胞を用いリアルタイム発光測定を行ったところ、セダノライドは特異的にNrf2経路を活性化させることが明らかとなった。また、Nrf2の活性化に伴う抗酸化遺伝子群の発現上昇により、酸化ストレスにより惹起される細胞死を抑制する効果を有することを見出した。続いて、抗炎症作用を有する鎮静剤の1種であるブロムワレリル尿素のストレス応答経路に対する影響を解析した。その結果、ブロムワレリル尿素は小胞体ストレス応答、熱ショックストレス応答等の経路には作用せず、Nrf2経路を活性化させる一方、NF-κB経路の基底活性を弱く抑制させることが明らかとなり、Nrf2活性化がブロムワレリル尿素が有する抗炎症作用の分子機序であることを見出した。次に、PKC活性化剤であるPMAの6種類のストレス応答経路に対する作用を解析した。その結果、PMAによりNrf2経路とNF-κB経路が初期に同時に活性化され、続いてAP-1、熱ショックストレス、小胞体ストレス応答経路がほぼ同時に活性化され、その後p53経路が活性化されることが明らかとなった。これらの結果は、当該研究で構築したストレス応答評価系の妥当性を示すものであり、特にPMAにより惹起される各種のストレス応答経路の活性化は、クロストーク解析に適したモデルになる得ることが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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