研究課題/領域番号 |
21H02109
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
西田 洋巳 東洋大学, 食環境科学部, 教授 (60301115)
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研究分担者 |
小柳 喬 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (20535041)
戸田 弘 富山県立大学, 工学部, 講師 (60608321)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 蔵付きバクテリア / コクリア / 清酒酵母 / 相互作用 / 日本酒造り / 味と香り |
研究実績の概要 |
私たちが研究を始めるまで、乳酸菌以外の「蔵付きバクテリア」の日本酒造りにおける機能に関する研究は皆無と言ってよい状況であった。そこで、私たちは成政酒造(富山県南砺市)の初添よりバクテリアを分離し、その中からアクチノバクテリアに属するコクリア属の分離株が成政酒造の蔵付きバクテリアであることを明らかにし、その分離株の中で系統が異なるTGY1120_3株およびTGY1127_2株を用いて実験を行った。なお、これら2株のゲノム解析も行った。さらに、白木恒助商店(岐阜県岐阜市)の蔵付きバクテリアとしてバチルス属の分離株を複数取得した。コクリアとバチルスは系統進化的な位置が大きく異なり、酒蔵が違えば、蔵付きバクテリアも異なることを明らかにした。実験室において、麹を水に懸濁した溶液に清酒酵母と蔵付きバクテリアを入れて混合培養の実験を行った。また、実際の酒造会社において蔵付きバクテリアを添加して日本酒を試験醸造した。成政酒造の日本酒造りの過程(初添)において滅菌処理したTGY1127_2株、生きているTGY1127_2株、生きているTGY1120_3株を添加して日本酒を造った。また、コクリア属のバクテリアが酒蔵に存在していない吉乃友酒造(富山県富山市)の日本酒造りの過程において成政酒造の蔵付きバクテリアであるコクリアTGY1127_2株を添加して日本酒を造り、入れていないコントロールとの比較を行った。味については試飲および味覚認識装置(インテリジェントセンサーテクノロジー)を用いて行った。これらの実験結果によって、蔵付きバクテリアの添加によって日本酒の味や香りが変化すること、蔵付きバクテリアの株の違いによって、その変化は異なることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
蔵付きバクテリアの日本酒の味や香りに与える影響について、実験室レベルおよび酒造会社レベルで明らかにした。ただ、成政酒造の蔵付きコクリア株の形質転換については順調に進展しなかった。
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今後の研究の推進方策 |
蔵付きバクテリアの影響や効果が日本酒造りの環境の違いによってどれほど異なるかを明らかにする。また、清酒酵母と蔵付きバクテリアの相互作用について明らかにし、その相互作用によって清酒酵母の代謝がどのように変化し、その影響が日本酒の味や香りにどのように影響するか明らかにする。
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