植物の免疫応答に関与する遺伝子/タンパク質が数多く単離されているが、細胞内環境などがどのように免疫応答に作用するするかは不明な点が多い。本研究では、細胞内の糖が植物の免疫応答に影響を与える分子機構について解析した。グルコースは細胞内でヘキソキナーゼによってリン酸化され、グルコース6リン酸(G6P)となる。G6Pはタンパク質脱リン酸化酵素ABI1の活性を抑制し、その結果ABI1が抑制しているタンパク質リン酸化酵素CPK5の活性が増強され、免疫応答の活性化に繋がることを見出した。本結果より、細胞内の代謝物によって免疫応答が制御されていることと、その分子機構の一端が明らかとなった。
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