一代雑種品種は、F1が両親に比べ旺盛な生育を示す性質を利用したもので、市販されているほとんどの野菜、トウモロコシ、ソルガムなどは一代雑種品種であり、その育種に細胞質雄性不稔性(CMS;ミトコンドリアゲノムと核ゲノムの相性が悪く花粉が死滅する現象)が使われている。我々が発見したインディカ品種Tadukanに由来するCMS系統は胞子体型の稔性回復様式を示す極めて稀なタイプであり、しかも育種の現場ニーズがあるCMS /RFシステムである。花粉の発育不良ではなく、葯の裂開不良が原因のCMSイネであり、ジャポニカイネの一代雑種品種の育種に利用できる。
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