これまで、大気CO2濃度の上昇に対する光合成応答や、作物生産性向上を目指した光合成能力の改良は、光強度一定の定常光環境を想定して研究されてきたが、野外環境では、光は常に激しく変動している。そこで、本申請課題では、現在と近未来に予想される環境において、光合成の向上に寄与する諸反応の分子機作の解明を目指した。本研究成果によって、1)ヒメツリガネゴケ由来Flavodiiron protein(Flv)遺伝子導入による電子伝達系の改変、2)Rubisco活性化因子であるRubisco activaseの改変、3)気孔密度の増加と気孔開閉の迅速化によって、変動光に対する光合成能力が向上することを示した。
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