研究実績の概要 |
Streptomyces olivaceoviridis E-86のゲノム配列情報を再解析し、キシラン分解に関わる配列を抽出した後、各ヘミセルラーゼ配列のクラスター解析を行った。キシラナーゼは、GH10に分類される配列が2個(SoXyn10A, SoXyn10C)、GH11に分類される配列(SoXyn11B)が一つ見出された。各キシラナーゼのクラスターに注目するとSoXyn10Cは独立したオペロンを形成していたが、SoXyn10A、SoXyn11B、アセチルキシランエステラーゼが並んでおり、一つのオペロンを形成していると考えられた。SoXyn10Cの特性解析を行なったところ、SoXyn10Aと比較し、SoXyn10Cは安定性に優れるが、Beechwood由来キシラン、サトウキビバガス由来キシラン、Rye由来アラビノキシラン、Wheat由来キシラン等のキシラン分解能は、SoXyn10Aに比べ8分の1程度であり、顕著に低かった。反応生成物を比較するとサトウキビバガス由来キシランに作用させた場合にキシロビオースの生成量に違いがみられた。 一分子観察では、SoXyn10AとSoXyn11Bの両者がサトウキビの別の部位に局在していることが観察され、相補的にキシランを分解することが示唆された。 また、S. olivaceoviridis E-86のゲノムからGH43アラビノフラノシダーゼを選抜し、発現、特性解析を行なった。本酵素はアラビノフラノシダーゼ活性を100とした場合、42%程度のキシロシダーゼ活性を示した。多糖に作用させたところ、アラビナンにはほとんど作用せず、アラビノキシランに活性を示すことが示唆された。
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