養殖魚の不妊化は、遺伝的封じ込めだけでなく、高成長化や肉質の高品質化も期待できるため、養殖需要が高まる現代において汎用性の高い不妊化技術の開発の重要性は増している。本研究では、CRISPR-Cas13dシステムを用いて、生殖細胞形成に必要なdnd1遺伝子の魚類共通配列を標的とするgRNAによってノックダウンを行い、メダカ及びニジマスにおいて生殖細胞を欠損させることに成功した。これは,CRISPR-Cas13dシステムを用いた遺伝子ノックダウンが、モデル魚だけでなく、産業重要種における不妊化に有用であることを示す初めての成果であり、本システムによって汎用性の高い不妊化技術の確立が期待できる。
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