研究課題
マサバとゴマサバの参照配列を構築した。それぞれPacBio HiFiシーケンスを行って第1段階の参照配列を構築し、NanoporeによるロングリードとstLFRによるリンクドリードを用いてscaffoldingとmisassemblyの修正を行った。その結果、それぞれの種で900本程度のscaffoldにまとめることができた。参照配列の連続性を示すScaffold N50は28 Mbで、核型と一致する上位24本のscaffoldでゲノムの80%がカバーされていた。また、マサバについては国内3集団、ゴマサバについては国内2集団からサンプルを得た。一部を用いて低被覆深度シーケンスを行い、性に関するゲノムワイド関連解析を行って、その有効性を確認した。現在は、全個体を用いた低被覆深度シーケンスを実施しており、データが得られ次第、多型情報をまとめる。また、パブリックデータベースから条鰭類の参照配列をダウンロードして超保存領域と種間多型情報の蓄積を進めている。申請当時よりも参照配列を持つ魚種が大幅に増えていたことから、各魚種のゲノム配列の質やゲノムサイズ、遺伝子カバー率(BUSCO)などを中心に、どの種を利用すべきかの基準を再検討も行っている。
3: やや遅れている
初年度に天然のマサバサンプルが一部得られなかったため進捗が遅れている。現在はサンプルが得られたため、シーケンス解析を実施している。
パブリックデータベースから条鰭類の参照配列を得て種間多型を抽出し、遺伝子アノテーション情報から有害変異の推定を試みる。また、マサバとゴマサバの集団データを用いて、天然魚における有害変異の蓄積情報を得る。これらの情報をもとに、有害変異に注目した近交系選抜育種法の構築を試みる。
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