研究課題/領域番号 |
21H02279
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
細谷 将 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60526466)
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研究分担者 |
矢澤 良輔 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (70625863)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 選抜育種 / 海産魚 / ゲノム比較 / 超保存領域 / ゲノム編集 / 有害変異 / ゲノミックセレクション |
研究実績の概要 |
選抜育種において過度な選抜は禁忌とされる。しかし、産業的には短期的な収益が得られる過度な選抜を伴う新規選抜法の開発に対する要望が強い。その実現には、集団中から有害変異を持つ個体を除去する必要がある。本研究では、ゲノミックセレクション法と強有害変異を持つ個体の除去を同時に行う養殖魚の新規近交系選抜育種法の開発に取り組む。そのために、まず、①マサバを主な材料として、染色体中に含まれる有害変異の網羅的検出法を確立する。次に、すでに申請者らが確立している高速多型判定技術により、②選抜候補個体が持つ有害変異を高速に判定する方法を確立する。最後に、③ゲノミックセレクション法と強有害変異除去を同時に行う選抜法を確立する。 マサバ類の不漁などにより全体として計画が遅れたが、日本海側と太平洋側を含む4集団から野性個体を得た。シーケンスデータの取得を進めている。また、マサバのドラフト参照配列を構築した。また、参照配列が利用できる真骨魚ゲノムデータの調査を開始した。シーケンシング技術の急速な進歩にあわせるように参照配列データが量、質ともに飛躍的に向上しており、次年度には計画時に想定していたよりも多くの魚種のデータを入れられる可能性が示された。次年度は、遺伝子注釈付きマサバゲノムの構築を目指すとともに、マサバの集団解析と、真骨魚ゲノム中の有害変異の同定を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マサバ類の不漁などによりサンプル収集が遅れたため。
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今後の研究の推進方策 |
マサバのゲノム参照配列の高度化を進める。マサバ野生集団のサンプル収集は完了したので、リシーケンスを行いゲノムワイド多型解析を実施する。また、配列断片数が1000本程度以下である高度ゲノム配列情報が利用可能な真骨魚が、当初想定していた8種程度から大幅に増えていたことから、魚種選定基準を見極める。
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