研究実績の概要 |
本研究課題の主力テーマである、ヌアージュに局在するRNAヘリカーゼTdrd9がTdrd5と相互作用し、ピンポン増幅に機能する蛋白質と複合体を形成し、それらと協働してピンポン増幅を推進することを明らかにした。これらの成果は、2023年8月に国際ピアジャーナルのJCBに発表した。また、ショウジョウバエ精巣に特異的に発現する、タンパク質コード領域RNA配列に由来する新たなpiRNA種を同定した。このpiRNA は、他の小分子RNA、miRNAやsiRNAにそのプロセシングが惹起されるという特徴を持ち、精子形成に機能する遺伝子の発現を制御していることを明らかにした。この成果は2023年7月に国際ピアジャーナルのScience Advances に発表した。その他、piRNA経路の中心的役割を担うPIWIファミリータンパク質のAub, Piwi, Ago3及びそれらと協働するTdrd9とTdrd5と相互作用しうるタンパク質を近位依存性ビオチン化(BioID)法により同定し、遺伝学的解析を行っており、1年以内に国際ピアジャーナルに投稿予定である。
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