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2021 年度 実績報告書

哺乳類卵母細胞における紡錘体二極化の機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21H02407
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

北島 智也  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (00376641)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード卵子 / イメージング / 紡錘体 / 染色体
研究実績の概要

本研究は、卵母細胞における紡錘体二極化の分子機構を明らかにすることを目的とする。昨年度までに、マウス卵母細胞における紡錘体二極化は動原体機能を必要とし、動原体はNdc80-Nuf2を介して微小管制御因子Prc1をリクルートすることで紡錘体二極化を促進することを明らかにしていた。
本年度の研究においては、まず紡錘体の二極化を定量的に評価する系を確立した。微小管重合中心MTOC(Cep192マーカー)や重合微小管プラス端(EB3マーカー)のライブイメージング画像を自動で解析し、紡錘体の二極化を評価する解析パイプラインを構築した。
次に、Ndc80-Nuf2とPrc1の相互作用について解析を行うため、in vitroでの再構築系を確立した。昆虫細胞・バキュロウィルス発現系を用いてNdc80-Nuf2複合体とPrc1のリコンビナントタンパク質を調整し、両者の相互作用を評価した。また、卵母細胞においてPrc1の動原体局在に必要なキナーゼについて、Ndc80-Nuf2やPrc1を基質としてリン酸化反応を行った。候補となるリン酸化サイトに変異を導入し、リン酸化の有無を検討した。また、これら変異型のタンパク質をマウス卵母細胞に発現させ、局在の評価を行った。
さらに、断片化したNdc80-Nuf2についてNdc80ノックアウト卵母細胞におけるレスキュー解析を行い、紡錘体二極化を促進する領域の同定を行った。ライブイメージングにより紡錘体二極化の過程を定量的に解析した結果、Ndc80-Nuf2-Prc1の経路以外にも紡錘体二極化を促進する経路が存在することが示唆された。これらの経路にMps1キナーゼが必要である可能性を含め、検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

計画のすべての項目で想定したとおりに研究が進展し、さらに予期せぬ紡錘体二極化の経路が存在することを示唆するデータを得ることができた。

今後の研究の推進方策

動原体による紡錘体二極化の経路が複数あることを想定し、動原体の基礎的な機能である微小管捕捉と、動原体への微小管制御因子の集積が、紡錘体の二極化に協調的に働くかを検証していく。また、in vitroのNdc80-Nuf2とその相互作用因子の再構成系を用い、リン酸化などを介した相互作用制御の解析を進める。さらに、動原体に集積する微小管制御因子のスクリーニングを行う。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Stable kinetochore-microtubule attachments restrict MTOC position and spindle elongation in oocytes2021

    • 著者名/発表者名
      Courtois Aurelien、Yoshida Shuhei、Takenouchi Osamu、Asai Kohei、Kitajima Tomoya S
    • 雑誌名

      EMBO reports

      巻: 22 ページ: -

    • DOI

      10.15252/embr.202051400

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Single‐oocyte transcriptome analysis reveals aging‐associated effects influenced by life stage and calorie restriction2021

    • 著者名/発表者名
      Mishina Tappei、Tabata Namine、Hayashi Tetsutaro、Yoshimura Mika、Umeda Mana、Mori Masashi、Ikawa Yayoi、Hamada Hiroshi、Nikaido Itoshi、Kitajima Tomoya S.
    • 雑誌名

      Aging Cell

      巻: 20 ページ: -

    • DOI

      10.1111/acel.13428

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] RanGTP and the actin cytoskeleton keep paternal and maternal chromosomes apart during fertilization2021

    • 著者名/発表者名
      Mori Masashi、Yao Tatsuma、Mishina Tappei、Endoh Hiromi、Tanaka Masahito、Yonezawa Nao、Shimamoto Yuta、Yonemura Shigenobu、Yamagata Kazuo、Kitajima Tomoya S.、Ikawa Masahito
    • 雑誌名

      Journal of Cell Biology

      巻: 220 ページ: -

    • DOI

      10.1083/jcb.202012001

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 卵母細胞における染色体分配2022

    • 著者名/発表者名
      北島智也
    • 学会等名
      大阪大学蛋白質研究所セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 卵子における染色体分配と受精にともなう前核形成の機構2021

    • 著者名/発表者名
      北島智也
    • 学会等名
      第39回日本受精着床学会総会・学術講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 哺乳類受精卵における前核サイズの制御とその意味2021

    • 著者名/発表者名
      京極博久、多羅間充輔、柴田達夫、北島智也
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会
    • 招待講演
  • [備考] 理化学研究所 染色体分配研究チームHP

    • URL

      http://chromosegr.riken.jp/index.html

  • [備考] 理化学研究所生命機能科学研究センターHP 染色体分配研究チーム紹介ページ

    • URL

      https://www.bdr.riken.jp/ja/research/labs/kitajima-t/index.html

  • [備考] 理化学研究HP 染色体分配研究チーム紹介ページ

    • URL

      https://www.riken.jp/research/labs/bdr/chromo_segr/index.html

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公開日: 2022-12-28  

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