統合失調症の薬は、ドパミンD2受容体とセロトニン2A受容体を不活性化する逆作動薬だが、過剰な不活性化による副作用がある。最近、ドパミンD2受容体などのGタンパク質共役型受容体は、逆作動薬の効力(不活性化の程度)の強弱に応じて複数の不活性型構造を持つことが示唆された。本研究では、これらの不活性型構造を決定し、逆作動薬により効力が異なる仕組みの解明を目指した。本年度は、数種類の逆作動薬についてGタンパク質共役型受容体との複合体を作製し、構造解析のための安定化及び結晶化の検討を更に行なった。逆作動薬が結合した複合体である程度安定化できたコンストラクトを精製し、Gタンパク質共役型受容体のループ領域ではなく、3次元構造を認識して結合する抗体も取得できた。
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