Gタンパク質共役型受容体は、活性型・不活性型の平衡状態で存在し、リガンドが結合しなくても一定の基礎活性を示す。Gタンパク質共役型受容体に逆作動薬が結合すると、不活性型に平衡が偏る。逆作動薬には強いものから弱いものまで様々な効力のものが存在するが、そのような効力の違いと立体構造の関係は不明である。本研究では、生体アミン受容体の一種であるセロトニン受容体について、弱い逆作動薬との複合体構造を決定した。その結果、この逆作動薬が結合した状態では、不活性型構造よりも活性型構造に近い構造をとっていることが明らかになった。
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