研究課題
p97は補因子と共にはたらき、主にユビキチン鎖で修飾された基質をアンフォールディングすることでプロテアソームによる分解へと導く。この機構は、異常タンパク質の除去にとどまらず、ERAD、オートファジー、膜融合、細胞死、DNA修復、免疫応答、細胞周期の制御など、多岐にわたる細胞内プロセスに関与している。p97の機能の多様性は、ユビキチン鎖の修飾様式の多様さに加え、p97が30種類異常にもおよぶ補因子と結合し、それぞれの補因子依存的に活性制御や局在制御、基質特異性などを獲得することに起因する。しかし、大半の補因子については、p97がどのようにこれらの制御を受けているのか、その分子機構は明らかになっていない。本研究では、多様な補因子によるp97の制御機構を解明することを目的に、生化学的解析およびクライオ電子顕微鏡単粒子解析を実施した。まず、網羅的なスクリーニングにより、p97の活性を顕著に亢進させる複数の補因子を同定し、それらに対して切り詰め実験を行うことで、各補因子におけるp97活性化ドメインを特定した。さらに、p97-補因子-基質からなる三者複合体の構造解析も試みたが、多くの粒子でp97と補因子の結合が解離しており、現段階では構造決定には至っていない。一方、AlphaFold3を用いた計算解析により、複数の補因子間に存在する相互作用を予測し、変異体を用いた解析によって、この相互作用がp97の活性化に不可欠であることを明らかにした。これらの知見は、補因子間相互作用の構造的基盤と機能的役割を理解する手がかりとなる。現在、本研究成果は論文化に向けて整理中であり、2025年度中の投稿を予定している。
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Nature Communications
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