研究課題
前年度までの研究から、スプライシング阻害によりCDKインヒビターp27のmRNAが安定化することが明らかとなっていた。また、その安定化にはp27 mRNAの3'UTRが関わっていることも見出していた。しかしながら、安定化に寄与する3'UTR上の配列やトランス因子などに関しては明らかになっていなかったため、これらを明らかにするために研究を行なった。mRNA上の安定化に関わる配列としてmiR-221/222の結合配列を同定した。これらの配列に変異を導入することで、p27 mRNAの安定性が顕著に上昇した。スプライシング阻害によりmiR-221/222のRNA量が減少することでp27 mRNAが安定化するのではないかと予想を立て、スプライシング阻害条件下でのmiR-221/222量を測定したところ、miR-221/222量には変化は見られなかった。また、miRNAが機能するのに必要なmiRISC複合体の構成タンパク質の量が変化するかどうかを確かめたところ、こちらにも変化は見られなかった。次に、miR-221/222がp27 mRNAに結合することを補助するタンパク質の量とリン酸化レベルを測定したところ、スプライシング阻害によりタンパク量の若干の減少とリン酸化レベルの顕著な減少が観察された。また、このタンパク質のリン酸化部位の同定も行ない、リン酸化部位に変異を導入した発現プラスミドの作成などを行なった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)
Journal of Biological Chemistry
巻: 299 ページ: 105168~105168
10.1016/j.jbc.2023.105168