膜電位応答性蛍光タンパク質を用いた大規模な神経活動計測手法の開発を目的として種々の検討を行った。まず、計測条件検討のために自作の多光子顕微鏡を設計・構築し、神経細胞からの蛍光画像取得を可能とした。次に、測定対象の神経細胞が計測中に移動することを想定し、細胞位置推定・追跡アルゴリズムの開発および原理検証を実施した。さらに、入手可能な対物レンズ、スキャナ等の光学素子を用いた多点検出手法の実装形態について検討するとともに、具体的な実装形態における計測頻度の見積もりを数値シミュレーションおよび理論計算により行い、約2000個のマウスの神経細胞をおよそ1kHzで計測可能な条件を見出した。
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