令和5年度は以下のことを行なった。 (1)ミクロヌクレオファジーは核と液胞が接するNVJで両オルガネラ膜が液胞内へと陥入して核の一部を液胞内に取り込み分解する。そのため、NVJ局在するタンパク質がこの現象を制御するのではないかと予想した。NVJに局在することが報告されているタンパク質を調べた結果、新たに5つの因子(論文投稿前のため因子の名称等は不記載)がミクロヌクレオファジーに関与することを突き止めた。さらに、その因子がミクロヌクレオファジーに連動して起こる核小体のリモデリングにも関与することを見出している。それらの因子の中には、ミクロヌクレオファジーの膜の変形に必要と考えられるもの、NVJのインテグリティに必要と考えられるものが含まれる。現在、それらの因子の作用機序を解析中である。 (2)網羅的にNVJに局在するタンパク質は調べられておらず、まだ未知なNVJタンパク質が存在すると考えられる。我々は、未知の因子を見出すため、NVJに局在するタンパク質に物理的結合する因子の同定をタンパク質の免疫沈殿方とLC-MS/MSを組み合わせて解析中である。 (3)ミクロヌクレオファジーの機構解明のため、バルクのミクロオートファジーの解析も並行して進めた。その結果、ミクロオートファジーに必要なユビキチンリガーゼを同定し、現在、その機構を解析中である。 以上の結果を含め、今後、解析を進め論文投稿を予定している。
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