研究課題/領域番号 |
21H02478
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
菅田 浩司 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (60508597)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ショウジョウバエ / 遺伝学 / 細胞競合 / 悪性腫瘍 |
研究実績の概要 |
申請者らは近年、ショウジョウバエの強力な遺伝学を応用することで細胞競合のトリガーとなる遺伝子変異のスクリーニングを行った。その結果、複眼原基において細胞接着に関わる遺伝子の体細胞クローンを誘導すると、隣接する野生型細胞との細胞競合によって排除されることを見出した。また、変異細胞内でがん遺伝子であるRasの活性化型(RasV12)を強制発現させると悪性腫瘍を形成することから、申請者らが見出した遺伝子はがん抑制遺伝子として機能すると考えられた。これまでにscribble(scrib)など頂底極性を制御する遺伝子に変異を有する細胞のクローンを複眼原基に誘導した場合も細胞競合によって排除され、変異細胞内でRasV12を強制発現させると悪性腫瘍を形成することが報告されている。そこでscrib変異細胞を排除する細胞競合と、申請者らが見出した遺伝子の変異を有する細胞を排除する細胞競合に関して分子レベルでの比較解析を行った。その結果、両者は細胞競合を制御する中心的な転写因子であるXrp1に対する依存性が異なることを見出した。これらの結果から、申請者らが見出した細胞競合は新しいタイプのがん抑制型細胞競合である可能性が示唆された。そこでこの細胞競合を制御する分子を同定する目的で、染色体の一部を欠失したライブラリー系統を用いたドミナントモディファイヤースクリーニングを行った。これまでに細胞競合を抑制する系統、亢進する系統をいずれも複数得ることに成功している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書の内容に従って研究が推移しているため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き計画に従って実験を進める。解析に必要なショウジョウバエ系統や抗体、試薬はすでに入手・維持している。
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