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2023 年度 研究成果報告書

新規母性因子による生殖顆粒の動態制御機構の解析

研究課題

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研究課題/領域番号 21H02489
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分44020:発生生物学関連
研究機関熊本大学

研究代表者

中村 輝  熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (90323245)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード生殖細胞 / 生殖顆粒 / 相分離 / 母性RNA / トランスポゾン / piRNA
研究成果の概要

生殖細胞は遺伝情報を子孫に伝える。ショウジョウバエの生殖細胞形成は生殖質に依存する。生殖質因子は母性RNAやタンパク質と顆粒を形成する。Aubなど多くの生殖質タンパク質は哺育細胞の核周縁にも局在し、piRNAの産生と転移因子(TE)抑制を行うnuageと呼ばれる顆粒を形成する。nuageと生殖細胞との協調機構はわかっていない。生殖質形成に関与する新たな母性因子を同定し、tppと命名した。tpp-卵巣では、Aub結合piRNAの量とAubの生殖質局在が減少したが、TEの脱抑制は見られなかった。すなわち、ショウジョウバエ卵巣におけるTE抑制と生殖質形成に必要なpiRNA量が異なることが示唆された。

自由記述の分野

発生生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

トランスポゾンはゲノム情報に損傷を与える。一方、生物進化の原動力の一つでもあると考えられている。本研究では、ショウジョウバエをモデルに、トランスポゾンの分解を行うpiRNAが生殖細胞形成にも重要であり、生殖細胞形成に必要なpiRNA量の閾値がトランスポゾン抑制の必要量よりも高いことを明らかにした。ショウジョウバエではpiRNAが次世代の生殖細胞に引継がれトランスポゾン抑制に貢献する。卵巣内でトランスポゾン抑制に必要な量よりも過剰なpiRNAを産生することで、次世代に十分な多様性を持ったpiRNAの伝搬を保証していると予想された。このような知見は今まで提唱されておらず、学術的意義が高い。

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公開日: 2025-01-30  

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