研究実績の概要 |
通常, 線虫の飼育は大腸菌を餌として用いるが, 大腸菌の消費とともに線虫の増殖は停止する. そこで, 新たな実験系では大腸菌の代わりに栄養に富むドッグフード培地を用いることにより線虫を大量増殖させることに成功した. この線虫集団の実験系を用いた研究から, 疎な環境に比べ, 集団形成により静止状態の線虫が力学刺激に反応性が高く運動状態に変化しやすくなることが示された. そこで 、線虫の活性化伝播の頻度と密度の関係を調べ、それらの間に冪乗則が成り立つかを確認中である。これにより、集団が臨界状態にあるかどうかを明らかにすることが期待される。さらに、今後、休眠状態と覚醒状態のDauerのスイッチングを担う回路を同定することで、活性化伝播のメカニズムに迫る予定である。
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