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2023 年度 研究成果報告書

個体集団における状態転移機構の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 21H02532
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分45010:遺伝学関連
研究機関広島大学

研究代表者

杉 拓磨  広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (70571305)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード線虫 / 集団行動
研究成果の概要

本研究では、湿度上昇に対し、秩序パターンが崩壊し、最終的に大部分の線虫が運動を停止した凝集塊を作ることを見出した。この凝集塊の観察を続けると、静止した線虫集団が無秩序に運動を再開するのではなく、数秒のうちに一斉に運動状態へ転ずる現象が再現よく観察された。この集団全体が静から動へ転移する様子は、ミツバチが外敵に対して行うシマリングという威嚇行動や鳥の群れの外敵に対する水面からの羽ばたきなど自然界で多く見られる時間軸上の自己組織化現象である。これらでは通常、集団全体として外部刺激に反応しやすい臨界状態に近いことが知られる。したがって、本状態転移の分子神経機構の一端を本研究にて明らかにした。

自由記述の分野

生物物理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

集団の振る舞いが最も多様かつ複雑で魅力的な個体集団レベルでは、行動遺伝学的解析が可能なモデル動物の集団の実験系に乏しく、秩序生成機構の理解を妨げてきた。ランダムに振る舞うミクロな要素は、相互作用して自己組織的にマクロな秩序を生み出すことにより単独の要素とは異なる振る舞いを示す。これまで自己組織化メカニズムに関しては、拡散する情報伝達因子に焦点が当てられてきた。しかし多様かつ複雑な個体集団の自己組織的現象については未解明な点が多く、自然科学の多くの分野に共通する核心的な問いであることから、本研究は波及効果は高いと考えられる。

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公開日: 2025-01-30  

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