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2022 年度 実績報告書

社会性アブラムシにおける攻撃毒タンパク質の多様性と進化

研究課題

研究課題/領域番号 21H02544
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

沓掛 磨也子  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ付 (90415703)

研究分担者 植松 圭吾  慶應義塾大学, 法学部(日吉), 助教 (00793861)
森山 実  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (30727251)
宮房 孝光  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (70760271)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード社会性アブラムシ / 兵隊階級 / 毒タンパク質 / 多様性 / 進化
研究実績の概要

ハクウンボクハナフシアブラムシの兵隊攻撃毒タンパク質について、ゲノムレベルでの解析を行なった。主要な攻撃毒成分であるカテプシンBプロテアーゼに関しては、これまでのトランスクリプトーム解析から少なくとも15のカテプシンB遺伝子が存在することがわかっていたが、今回ゲノム配列を用いたRNAseqデータ解析をHISAT2で行ったところ、17のカテプシンB遺伝子を同定することに成功した。このうち兵隊特異的発現する攻撃毒タイプのカテプシンB遺伝子に関しては、ゲノム配列を詳細に解析したところ、ほぼ同一配列の2つの遺伝子がゲノム上にタンデムに存在することが明らかになった。以上の結果を、これまでの組織別/階級別の遺伝子発現と合わせて解析をおこない、本種におけるカテプシンB遺伝子の分子進化の概要を明らかにした。また、カテプシンB以外の、兵隊の消化管または唾液腺で特異的に高発現する攻撃毒タンパク質の候補として、レグマイン、ホスホリパーゼA1、カルボキシルエステラーゼを同定し、これらの遺伝子配列および組織別/階級別の遺伝子発現について調べた。これらはいずれも、ゲノム上で多重遺伝子族を形成し、そのうちの1つまたは複数コピーが兵隊特異的に発現するという共通した分子進化学的な特徴を示すことが明らかになった。
また本年度は、単型の1齢幼虫が兵隊として機能するモンゼンイシアブラムシの兵隊攻撃毒タンパク質を同定するため、組織別トランスクリプトーム解析およびゲノム解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は研究に必要な量のアブラムシが野外で十分に収集できなかったため、予定していた実験が行うことができず、計画に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

次年度にアブラムシの採集場所を再検討し、あらためて実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [学会発表] ゴール形成昆虫による植物の形態操作 ―ゴールをつくる社会性アブラムシの昆虫-植物間相互作用―2023

    • 著者名/発表者名
      沓掛 磨也子
    • 学会等名
      公開シンポジウム「延長された表現型の機構解明~生物がいかにして他の生物を改変、操作するのか~」
    • 招待講演
  • [備考] 個人ホームページ

    • URL

      https://staff.aist.go.jp/m-kutsukake/

  • [備考] 所属機関ホームページ

    • URL

      https://unit.aist.go.jp/cmb5/

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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