研究課題/領域番号 |
21H02565
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
阪口 翔太 京都大学, 人間・環境学研究科, 助教 (50726809)
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研究分担者 |
久保田 渉誠 株式会社ファスマック, バイオ研究支援事業部, 研究員(移行) (10771701)
石川 直子 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 特任講師 (20771322)
福島 慶太郎 福島大学, 食農学類, 准教授 (60549426)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 平行適応 / 集団ゲノミクス / 特殊土壌 / 野生植物 |
研究成果の概要 |
本研究では,地理的に離れたストレス土壌における植物の平行適応メカニズムを解明することを目的とした.国内5地域で,蛇紋岩地と一般土壌地に生育する集団ペアの全ゲノム解読を行い,土壌型間で顕著な分化を示す遺伝子を抽出した.抽出された適応候補遺伝子の約90%は地域特異的な分化を示したが,547遺伝子は2地域,41遺伝子は3地域,3遺伝子は4地域で共通して分化していた.共通分化遺伝子には陽イオン輸送に関わる遺伝子が多く含まれ,機能面からしても蛇紋岩地で平行選択されたと考えられる.これにより対象種で起きた蛇紋岩地への平行適応では,祖先集団が保持していた適応変異が一翼を担った可能性が示唆された.
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自由記述の分野 |
進化生態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,野生植物の平行的な環境適応をゲノムレベルで分析した結果,約10%の適応候補遺伝子が複数回の土壌適応に関与していることが明らかになった.生物はしばしば高ストレス環境に短期間で適応することがあるが,本研究では,こうした迅速な適応を可能にする進化的機構として,適応変異の再利用が重要な役割を果たした可能性を示すことができた。本研究で得られた成果は,変動する野外環境に生物がどのように適応するかを予測するのに役立つと考えられる.
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