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2021 年度 実績報告書

神経回路の活動依存的発達におけるmRNA化学修飾の役割

研究課題

研究課題/領域番号 21H02580
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

王 丹  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (50615482)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードYTHDF1 / APC / prefrontal cortex / sex / depression
研究実績の概要

本研究では、mRNA上にもっとも豊富なメチル化アデノシン塩基(m6A)に注目し、神経細胞微小管動的末端における局所翻訳制御を通して、活動依存的な回路形成と精神機能に繋がるRNAメチル化修飾の役割を明らかにすることを目的としている。その役割の解明は、我々が周りの環境をいかに正しく認知し、蓄積した記憶情報に基づいて、適切な行動を出力することができる機能を発達させたか、また精神疾患をより深く理解することに役に立つ。そのため、我々はRNAのm6A修飾が神経微小管末端における局所翻訳を通して、細胞骨格の構造と機能を活動依存的に制御し、活動依存的な神経発達に役に立つことを仮説として下記のとおり実験を行い研究成果を得られた。

1. バイオインフォマティクスツールを用いてヒトRNA配列データベースを解析し、うつ病や心的外傷後などのストレス誘発性精神病理と関連するエピトランスクリプトーム制御因子の変化を探索した。その結果、疾患脳におけるエピトランスクリプトーム景観の性差依存的、行動関連的な変化が示唆された。2. 認知機能の発達と衰退のエピトランスクリプトームによる制御に関する文献調査を行い総説を執筆し発表した。3.生育環境によるマウスモデル認知機能の発達への影響を明らかにした論文を発表した。4. 神経軸索における局所翻訳に関わるAPCタンパク質を中心とするRNA顆粒の生成にm6A結合タンパクYTHDF1がかかわることを明らかにしBioRxivに発表した。

以上の結果をまとめると、局所翻訳制御を通して、活動依存的な回路形成と精神機能に繋がるRNAメチル化修飾の役割が確かなものである。その詳細を今後のプロジェクトで明らかにしていきます。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

思いがけない実験結果の展開で最初の計画通りではないですが、順調に成果をあげて研究が前へ進んでいます。

今後の研究の推進方策

計画通りの内容を推進する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Long‐lasting housing environment manipulation and acute loss of environmental enrichment impact BALB/c mice behaviour in multiple functional domains2022

    • 著者名/発表者名
      Sukegawa Momoe、Yoshihara Toru、Hou Shengqun、Asano Masahide、Hannan Anthony J.、Wang Dan Ohtan
    • 雑誌名

      European Journal of Neuroscience

      巻: 55 ページ: 1118~1140

    • DOI

      10.1111/ejn.15602

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] The m6A-methylome in major depression: A bioinformatic analysis of publicly available datasets2022

    • 著者名/発表者名
      Joshi Kandarp、Wang Dan Ohtan、Gururajan Anand
    • 雑誌名

      Psychiatry Research Communications

      巻: 2 ページ: 100089~100089

    • DOI

      10.1016/j.psycom.2022.100089

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Identification of Potent and Selective Inhibitors of Fat Mass Obesity-Associated Protein Using a Fragment-Merging Approach2021

    • 著者名/発表者名
      Prakash Muthuraj、Itoh Yukihiro、Fujiwara Yoshie、Takahashi Yukari、Takada Yuri、Mellini Paolo、Elboray Elghareeb E.、Terao Mitsuhiro、Yamashita Yasunobu、Yamamoto Chika、Yamaguchi Takao、Kotoku Masayuki、Kitao Yuki、Singh Ritesh、Roy Rohini、Obika Satoshi、Oba Makoto、Wang Dan Ohtan、Suzuki Takayoshi
    • 雑誌名

      Journal of Medicinal Chemistry

      巻: 64 ページ: 15810~15824

    • DOI

      10.1021/acs.jmedchem.1c01107

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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