マウス手綱核の神経活動を化学遺伝学プローブにより慢性的に活性化させたところ、有意なうつ病様の移動量低下を認め、炎症性変化を示す遺伝子発現変化を検出した。この成果は、手綱核神経細胞の活性化が、局所の炎症反応を惹起する可能性を示唆しており、研究代表者の仮説を支持している。また、アストロサイトの活性化やリポ多糖による炎症誘導が手綱核神経細胞の活性化を引き起こす過程を明らかにし、その過程に細胞外カリウムイオンの上昇が関与することを見出した。 本研究の遂行過程で、新たな動物行動機器の開発、進化的に保存された神経炎症の機構、全身炎症が脳機能に与える影響を明らかにし、5報の国際学術誌論文を発表した。
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