海馬苔状線維シナプスにおける伝達効率の制御機構の研究として、長期シナプス増強のメカニズムを電気生理学と超解像顕微鏡を組み合わせて解析した。光遺伝学的な方法でシナプス前終末を刺激することで長期増強を誘導し、その後、直接パッチクランプ法でシナプス前機能の変化を計測した。活動電位やCaチャネル電流といった終末電気特性に変化がなかった。一方でシナプス小胞の開口放出確率が上昇した。超解像顕微鏡でシナプス前終末のactive zoneタンパク質を構成するMunc13-1やRIM1の集積が見られた。よって、active zoneタンパク質のダイナミックな分布変化が長期増強のメカニズムであると示唆された。
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