研究課題
α,β-連続四置換型非天然アミノ酸含有ペプチドを用いた新規中分子創薬を行うために、R5年度も引き続き、中分子ペプチド創薬に必要な非天然アミノ酸のの効率的かつ網羅的な合成法の開発を行なっている。アミノ酸Schiff塩基のtert-ラジカルクロスカップリングに関しては、これまでα-ブロモエステル、炭化水素をカップリングパートナーとして用いる反応の開発に成功していたが、カルボン酸を用いる反応が進行することを見出した。これまで、α,β-連続四置換型非天然アミノ酸を光学活性として得ることが困難であったが、環状構造の基質を用いることで不斉記憶型の反応を開発することに成功した。また、アミノ酸Schiff塩基を基質に用い、一電子酸化反応を行うことで、アラニン誘導体のβ位選択的なアミノ化反応を進行させることに成功した。その他、種々の求核剤の検討を行っており、炭素求核剤の導入にも成功している。第三級炭素ラジカルの新たな前駆体としてアゾ化合物に着目し、さまざまな構造と官能基を有するアゾ化合物の触媒的な合成法の開発に成功した(論文投稿中)。N-無保護ketimineに対する触媒的不斉求核付加反応の検討を行い、これまで報告されていない求核剤との反応の開発に成功した。不斉収率の向上のため、機械学習を用いた手法で不斉触媒反応の構造最適化を行なっている。N-無保護ketimineからimidazolineへの変換反応の開発に成功し、その不斉反応化の検討に進んでいる。合成した我々独自の非天然アミノ酸含有中分子ペプチドを合成し、その物性や生物活性を評価したところ、適切な非天然アミノ酸を適切な位置に組み込むことで、脂溶性の向上、αヘリックス性の向上、膜透過性の向上、体内動態の向上、生物活性の向上が見られた。また非天然アミノ酸を複数導入することで、これらの機能をさらに向上すさせることができることも見出した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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