研究課題/領域番号 |
21H02613
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
角田 誠 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (10323453)
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研究分担者 |
船津 高志 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (00190124)
伊藤 貴浩 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (00323452)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アミノ酸 / がん / クロマトグラフィー |
研究実績の概要 |
研究代表者らはこれまでに、分岐鎖アミノ酸の代謝変化が白血病の悪性化に直接寄与していることを明らかにした。白血病悪性化における分岐鎖アミノ酸代謝の全体像を明らかにするためには、単一細胞レベルでの解析が必須である。そこで、本研究において、白血病単一細胞アミノ酸定量のためのマイクロ分離分析法開発を目的とする。オンチップ液体クロマトグラフィーによる高性能分離と蛍光顕微鏡による高感度検出を組み合わせ、単一細胞アミノ酸の高精度定量を可能にする。単一細胞アミノ酸定量のためのマイクロ分離分析法開発に向けて、本年度は、以下の2つの要素技術について検討した。 (1)単一細胞分析において、前処理操作における細胞内アミノ酸の希釈が課題である。そこで、通常の前処理操作により希釈された試料を大量にオンチップ液体クロマトグラフィーに注入できる濃縮方法について検討した。アミノ酸をオンチップ液体クロマトグラフィーに注入する際の溶媒として種々の溶液(緩衝液、酸、有機溶媒)について調べた。数種の溶液を用いた際、オンチップ液体クロマトグラフィー注入時の濃縮が観察された。 (2)オンチップ液体クロマトグラフィー技術は現状、保持が弱く、分析対象化合物が限定されている。アミノ酸の分離分析においては、疎水性の高いアミノ酸しか保持させることができない。そこで、多孔性構造の作製条件の検討を行った。微細加工技術における条件が定まり、多孔性構造を有する液体クロマトグラフィーチップの作製が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究遂行に必要な液体クロマトグラフィーチップ作製が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究遂行に必要な液体クロマトグラフィーチップを入手でき次第、今年度の研究を継続する。具体的には、オンチップ液体クロマトグラフィー注入時の濃縮条件の最適化、多孔性構造を有する液体クロマトグラフィーチップを用いた保持の検討である。
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