研究成果の概要 |
本研究では、b2ARの動的構造をバランスリガンド結合状態とバイアスリガンド結合状態で比較することにより、GPCRのシグナル選択性の構造基盤の解明に取り組んだ。バランスリガンドisoproterenolと、バイアスリガンドisoetharineについてNMR解析を行った結果、isoetharineのエチル基とb2ARの細胞外側ループ上の残基F193の立体的な衝突が、TM3細胞内側のA134, TM5細胞内側のA226周辺の構造変化を誘起することが示された。以上の成果から、バイアスリガンド結合時に観測されるこのTM3, TM5細胞内側の構造変化がシグナル選択性の構造的要因であることを提唱した。
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