RNA上のアデノシンが6位メチル化(m6A修飾)されると、それを認識するreaderタンパク質の作用によってタンパク質発現量が変化し得る。本研究では、ヒト薬物代謝酵素のmRNAがm6A修飾されることで医薬品や生体内物質の体内動態が受ける影響を明らかにすることを目的とした。主な薬物代謝酵素であるCYP3A4, CYP2B6およびCES2について、それらのmRNAがm6A修飾されることで発現量が変化し、薬物代謝酵素活性が変動することを見出した。発現変動に寄与しているm6A修飾部位を同定し、それらを認識して作用するreaderタンパクを同定すると共に、詳細な分子メカニズムを明らかにした。
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