研究課題
ODZ4の特異的な領域をターゲットとしたCRISPR-Casにて、ベクターを作成し、AAVへ導入をして、モデルを作成した。昨年度までに、本モデルがうつ状態を発生し、脳波の実験で躁状態を見出すことができた。一方、本学の動物実験施設の改修に伴い、脳波測定機器の設置場所が変更されたことで、再現性を得ることが出来なかった。そのため、実験を繰り返しているところである。科学者の倫理を考え、今回の繰り返し実験以降で、躁様の結果について、再現性が得られた場合には研究成果とすることにする。加えて、前頭前皮質以外の脳部位でもODZ4の発現の減少をさせたところ、覚醒剤嗜好性の減少や記憶障害が観察されている。さらに、ODZ4の発現を減少させた場合には、神経細胞の周囲を取り囲んでいる髄鞘に障害が観察されていることも見出している。また、株化細胞で、ODZ4を減少させると神経伝達物質の取込が減少することも見出している。シナプス終末でのODZ4の役割についての検討も必要である。また、神経伝達物質の中でも、特定のものだけが取込障害があったことも、大変、興味深いところであり、詳細な検討をしたいと考えている。髄鞘が極端に減少しているモデルマウスは今までになく、本課題では、双極性障害モデルマウスの作成およびその病態メカニズムの解明を目的として3年間の研究を行ってきたが、双極性障害様以外の行動変化も見出したことから、今後も、ODZ4の生理機能についての検討を行う予定である。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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