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2022 年度 実績報告書

高活性抗体の誘導を実現する抗原発現エキソソームの脾臓免疫技術基盤の構築

研究課題

研究課題/領域番号 21H02644
研究機関徳島大学

研究代表者

安藤 英紀  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 特任助教 (00735524)

研究分担者 清水 太郎  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 特任助教 (30749388)
石田 竜弘  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (50325271)
小出 裕之  静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (60729177)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードエキソソーム / 脾臓免疫 / ポリクローナル抗体
研究実績の概要

B16マウスメラノーマ細胞を拡大培養し、超遠心法を用いて培養上清中のエキソソームを回収した。エキソソームの脾臓免疫として、空のPEG-Lipを静脈内投与した3日後にPEG修飾エキソソーム(PEG-Exo)を静脈内投与し、これを14日おきに2回繰り返した。エキソソームの皮下免疫として、エキソソーム懸濁液とフロイント完全/不完全アジュバントを混合したエマルジョンを皮下投与し、これを14日おきに2回繰り返した。最終投与11日後に血清を回収し、プロテインGカラムでポリクローナル抗体(pAb)を精製し、エキソソームに対する結合親和性をOctetシステムを用いて評価した。その結果、脾臓免疫pAbおよび皮下免疫pAbのいずれにおいても、エキソソームに対する結合性を示した。各免疫法で誘導されたpAbが認識するタンパク質を同定するため、Protein Gを結合させた磁気ビーズに各pAbを結合させ、B16由来エキソソームのタンパク抽出液を反応させた後、pAbが認識するタンパクの網羅的解析を行った。皮下免疫pAbあるいは脾臓免疫pAbがそれぞれ認識するタンパクに対してスキャッタープロットを作成した。検出された全1,626種類のタンパクの内、皮下免疫pAbで検出量が上昇したタンパクは全体の5.78%であったのに対し、脾臓免疫pAbで検出量が上昇したタンパクは8.24%であり、脾臓免疫でより多くのタンパクに対する抗体を誘導できることを示した。検出した標的タンパクの細胞内局在(細胞外領域、細胞膜、細胞質、核)で分類したところ、皮下免疫pAbあるいは脾臓免疫pAbのいずれにおいても、細胞内に局在する様々なタンパクに対する抗体の誘導が認められ、特に抗体誘導が難しいとされる細胞膜に局在するタンパクが比較的多く検出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和4年度に計画していた「PEG修飾エキソソームを用いた脾臓免疫による抗体誘導評価」「誘導された抗体の特異性・結合親和性の評価」「エキソソームの脾臓免疫による抗体誘導メカニズムの評価」について、大きな変更点無く実施することができた。また、令和5年度に計画している「膜タンパクを発現させたエキソソームの脾臓免疫による抗体誘導評価」に向けた予備検討も行うことができ、令和5年度の研究計画についても、問題なく開始することが可能である。

今後の研究の推進方策

抗原を搭載したエキソソームの脾臓免疫による抗原特異的抗体の誘導を試みる。モデル抗原として緑色蛍光タンパク質(EGFP)を用い、プラスミドベクターを用いて細胞にEGFPを発現させた後にエキソソームを回収することで、EGFP封入エキソソームの調製を行う。搭載量が少ない場合は、エキソソームのマーカータンパクとの共発現ベクターを作成し、エキソソームへのEGFP搭載量の向上を試みる。調製したEGFP封入エキソソームの脾臓免疫あるいは皮下免疫を行い、回収した抗血清を用いて、EGFPへの結合性をウェスタンブロッティングあるいは分子間相互作用解析システムを用いて評価する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 緑色蛍光タンパク質(EGFP)をモデル抗原として封入したPEG修飾エクソソームの脾臓送達による抗原特異的抗体の誘導2022

    • 著者名/発表者名
      倉本 伶音、安藤 英紀、清水 太郎、異島 優、石田 竜弘
    • 学会等名
      第38回日本DDS学会学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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