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2022 年度 実績報告書

製剤学・免疫学を基盤とした粘膜投与型核酸ワクチンの開発-Covid-19予防-

研究課題

研究課題/領域番号 21H02648
研究機関長崎大学

研究代表者

佐々木 均  長崎大学, 熱帯医学研究所, 特命教授 (00170689)

研究分担者 黒崎 友亮  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 助教 (00582016)
平山 謙二  長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 教授 (60189868)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードワクチン / ナノ粒子 / mRNA
研究実績の概要

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質全体をコードしたmRNAに加えて、スパイクタンパク質のうちサブユニット1またはヒトの細胞表面のAngiotensin-converting enzyme 2(ACE2)に結合するReceptor binding domain(RBD)をコードしたmRNAを作製した。また、より効果的な液性免疫の誘導のために細胞外分泌シグナルを結合させた分泌型スパイクタンパク質および分泌型RBDのmRNAを構築した。これらのmRNAを培養細胞に添加し、Western blot法を用いてタンパク質発現を評価したところ、目的の分子量の部分にSARS-CoV-2の抗原タンパク質のバンドが確認できた。さらに、検討したmRNAの中では分泌型RBDのmRNAが最もタンパク質発現効率が高かった。
卵白アルブミン(OVA)をコードしたmRNAをmRNA微粒子DDSに搭載し、マウスの肺や鼻、眼へ複数回投与した。投与後のマウスから血液と脾臓を採取し、血清中のOVA特異的なIgG抗体の誘導とOVA刺激後の脾細胞からのINF-γの分泌を測定した。この結果、mRNA微粒子DDSの経肺投与でOVA特異的な液性免疫と細胞性免疫の強い誘導が確認できた。一方で、経鼻投与においては若干の細胞性免疫が誘導されたものの、液性免疫は検出されず、点眼投与では液性免疫と細胞性免疫の誘導効果はどちらも確認できなかった。
また、予備的検討ではあるが、SARS-CoV-2の抗原をコードしたmRNAについては、OVAのmRNAを用いた場合と比較して免疫誘導効果が弱く、アジュバントの必要性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね計画通り、効果の高いmRNAの設計方法やmRNA微粒子DDSの投与法、アジュバントの必要性を見いだすことができた。最終年度はこれらの知見を踏まえ、mRNA微粒子DDSによる免疫誘導効果をより詳細に評価していく。

今後の研究の推進方策

mRNA微粒子DDSの製剤化検討では、昨年までの検討で効果が高かったmRNA微粒子DDSに数種の凍結乾燥補助剤を添加し、凍結乾燥を試みる。凍結乾燥後のmRNA微粒子DDSの粒子径や表面電荷、細胞におけるタンパク発現効果を測定する。
実験動物を用いた免疫誘導効果の評価では、分泌型RBDをコードしたmRNAを用いたmRNA微粒子DDSに数種のアジュバントを併用し、マウスに経肺投与する。また、アジュバントの効果を確認するために鼻や眼からの投与についても再度検討する。投与後の液性免疫や細胞性免疫の誘導効果を評価し、最適なアジュバントや投与経路を選択する。また、最適な条件でmRNA微粒子DDSをマウスに投与し、誘導された抗体の中和活性などを詳細に評価する。
最後に、mRNAの最適化やmRNA微粒子ワクチンの調製法、投与部位や投与回数、アジュバンドが及ぼす免疫誘導効果への影響などの情報をまとめ、mRNA微粒子ワクチンの実用化に向けた指針を構築する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] mRNAワクチンのための負電荷微粒子の開発2022

    • 著者名/発表者名
      黑﨑 友亮、兒玉 幸修、佐々木 均
    • 学会等名
      日本薬剤学会第37年会

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公開日: 2023-12-25  

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