研究課題/領域番号 |
21H02658
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原田 彰宏 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40251441)
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研究分担者 |
苅田 聡 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50883526) [辞退]
吉村 信一郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60584521)
森脇 健太 東邦大学, 医学部, 准教授 (70778068)
國井 政孝 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80614768)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 細胞極性 / 極性輸送 |
研究実績の概要 |
(研究1)Rab8結合蛋白EHBP1L1に関する研究:EHBP1L1のKOマウスでは赤芽球の脱核に異常が生じ非常に重篤な貧血を呈した。今年度は以下の解析を行い脱核の分子機構の解明を行った。1.EHBP1L1の上流(Rab8, 10)、下流分子(Bin1, dynamin)のKO, KDにより脱核の異常が生じるか検討を行った。2.イヌのEHBP1L1遺伝子の異常で筋細胞の異常が生じるため、同様の異常がマウスでも生じるか解析した。 (研究2)apical面への輸送に重要な他の遺伝子のKOマウスを解析し、apical輸送の生体での他の機能を解析した。:1.我々は小腸特異的syntaxin3 KOマウスにおいて、小腸上皮細胞の増殖亢進という表現型を見出したため以下A,Bを行った。A.KOと野生型の小腸でmRNAの種類と発現量をRNAseqやmicroarrayによって比較し、KOマウスで増殖因子の発現が亢進することを発見した。B.小腸organoidの培養で in vivoの現象が再現可能であることを確認し、増殖因子の分泌に必要な分子のknockdownによる解析を行った。2.Rab10について:Rab10 KOマウスは胎生致死のため小腸特異的KOマウスを作製したが、特に異常が見られなかった。そのため全身で時期特異的にRab10をKO出来るマウスを作製中である。 (研究3)EHBP1L1結合蛋白に関する研究:我々はEHBP1L1の結合蛋白としてCD2APを同定し、さらにCD2APの結合蛋白として、アクチン結合タンパク質(WASPファミリータンパク質)を同定したため、その局在などを解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要に記したような実験は概ね問題なく進み、結果も得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
(研究1)Rab8結合蛋白EHBP1L1に関する研究:1.EHBP1L1の上流下流分子、CD2AP等のKO, KDにより脱核の異常が生じるか検討する。2.KOマウスの筋細胞で異常が生じるか解析する。 (研究2)A.小腸特異的syntaxin3 KOマウスで増殖因子の転写分泌が亢進するかを解明したため、organoidを用いてその分子機構について調べ、論文にまとめる。 B.Rab10の小腸特異的KOマウスには特に異常が見られなかったため、全身で時期特異的にKOできるマウスを作製し、どの組織でRab10が必要になるかを解明する。 (研究3)EHBP1L1の結合蛋白としてCD2APを同定し、さらにCD2APの結合蛋白として、apical面の膜蛋白質に結合する可能性のあるWASPファミリータンパク質を同定したため、これがapical面の細胞膜に局在する膜蛋白質と結合するか否か、またどのドメインが重要か解明する。
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