ミクログリアによる異種感覚の可塑性への寄与を明らかにし、その精神疾患病態への関わりについて検証した。 まず、高次視覚野であるV2Lにそれぞれの第一次感覚野から投射があることを示し、V2Lにおける神経細胞の機能応答を検証したところ、通常ではヒゲ刺激によってV2Lの応答は抑制されるが、視覚遮断によってその活動頻度が増強することがわかった。詳細な検討を行ったところ、ミクログリアは視覚遮断に伴い、興奮性神経細胞周囲に接触し、抑制性シナプスを剥がすことによってその興奮性神経細胞の興奮性を獲得することに寄与することがわかった。さらにこの獲得した興奮性はヒゲの感覚識別に寄与することも明らかにした。
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