研究課題
基盤研究(B)
骨形成不全症モデルのTric-b欠損マウス由来の成長板軟骨細胞では、小胞体ストレスセンサーPERKの活性化を伴うアポトーシス様の細胞死が発生することを見出した。一方、MG23欠損骨格筋のスキンドファイバー試料の解析では、Ca2+漏出の低下によると推定される小胞体Ca2+貯留が観察された。観察された結果は、小胞体陽イオンチャネルとして機能するTRICおよびMG23は、細胞内ストアのCa2+ハンドリング機能に寄与することを示している。
細胞生理学
小胞体Ca2+ストアは細胞機能に不可欠であり、様々な細胞応答を制御する。一方で、Ca2+ストアのイオンバランスの分子機序は未開拓な学術分野であり、その疾患病態との関連も不明である。当研究遂行による成果は、TRICおよびMG23チャネルのイオン透過性はCa2+ストア機能維持に不可欠であることを示し、TRIC-B欠損による骨形成不全症の発症メカニズムの解明に貢献した。