細胞内シグナル脂質であるイノシトールリン脂質(PIPs)は、グリセロール骨格に2つのアシル基とイノシトール環が結合した構造を有する。イノシトール環のリン酸化状態により7種類に分類されるPIPsは個々に特有の機能を有することが明らかになっているが、アシル基組成の違いによるPIPs分子種特有の機能は知られていない。 我々は、アシル基組成の異なるPIPs分子種機能解析のための新たな方法を開発し、がんと相関するPIPs分子種結合タンパク質75分子を見出した。また、特徴的なアシル基組成を有する細胞株を見出し、脂肪酸添加によりPIPsのアシル基組成を変動させたところ、細胞増殖が変化することを見出した。
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