研究課題
前年度にTJ形成のシグナリングに関して、シグナル分子である三量体Gタンパクのαサブユニットに含まれる、G alpha 12/13に注目し始めていた。Gapha12/13,の活性化はその下流でミオシンを活性化させ、ストレスファイバー形成を促すと考えられてきた。TJ形成におけるミオシンの役割を理解するため、G alpha 12, G alpha 13,についてsiRNAによるノックダウンをDLD-1細胞について試み、細胞間接着装置については、アドヘレンスジャンクションの初期の段階で止まる細胞が多く、TJ形成が著しく阻害されることを確認していた。当該年度は、シグナリングの理解をさらに深めるために、まずGalpha13のノックアウト細胞を作成した。TJは形成されるものの、野生型よりも明らかに長時間を要した。Galpha12のノックアウト細胞も作成したが、これはほとんど野生型と変わらなかった。Galpha13ノックアウト細胞では、TJに沿ったミオシンの集積が野生型と比べると明らかに減少しており、細胞全体でもアクチン細胞骨格の整然とした秩序に乱れが見られた。TJが正常な速さで形成するには、ミオシンのある程度以上の集積が必要であると考えられる。これらの結果はGalpha12/13ファミリーが、細胞骨格の編成を通じて、正常な細胞間接着装置形成を支えることを示唆する。おそらくGalpha12の方が寄与が少ないと考えられる。両方のダブルノックアウト細胞の作成の試みが現在進行中であり、それができれば、どの過程にGalpha12/13が必要なのかを今後明らかにする実験を行うことが可能になる。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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