研究課題/領域番号 |
21H02688
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
徳永 文稔 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00212069)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | タンパク質 / ユビキチン / 酵素 / 炎症 / 酸化ストレス / 細胞死 |
研究成果の概要 |
LUBACはユビキチンのN末端を介する直鎖状ユビキチン鎖を生成する唯一のユビキチンリガーゼ(E3)で、炎症・免疫制御に重要なNF-κB経路や細胞死を制御する。本研究で我々は、LUBACによるNF-κB活性化を強く抑制する脱ユビキチン化酵素としてOTUD1を、LUBACと協働するE3としてLAP1を同定した。OTUD1はNF-κB制御のみならず、KEAP1を介して酸化ストレス応答を制御し、その欠損マウスは炎症性大腸炎に脆弱性を示した。また、LAP1はLUBACと協働して炎症性細胞死を制御した。本研究からLUBACを基軸とするユビキチン動態が炎症・免疫・細胞死制御に重要であることが示された。
|
自由記述の分野 |
病態医化学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から、NF-κB経路や炎症性細胞死経路など細胞の生・死の制御にユビキチン修飾系が深く関わることが明らかになり、基礎生命科学、細胞生物学的に重要な学術的成果が得られた。OTUD1は酸化障害や病態とも深く関連することが示され、難病のクローン病や潰瘍性大腸炎に対する創薬標的となる可能性がある。2022年8月に発表したOTUD1に関するCell Death Dis論文は2024年5月段階で17回被引用、FWCI =2.73と良好なインパクトを与えている。また、LAP1はLUBACと協働して複雑型ユビキチン鎖生成を介して炎症性細胞死を制御するE3であり、今後の研究進展が期待できる。
|