ピロリ菌病原因子群の発現抑制性 small RNA HPnc4160 は、相変異により発現が周期的に変動し、標的病原因子群の発現を調節して、ピロリ菌の宿主適応を可能にする。本研究では、ピロリ菌持続感染における当該sRNAの周期的発現変動の意義と、sRNAが発現制御する新規病原因子群の病原性を明らかにすることを目的とした。sRNA上流の繰り返し配列変異株を用いた検討から、相変異が持続感染成立に重要であることを見出した。また、sRNAが発現制御する新規病原因子が、ピロリ菌の胃内上皮付着と食細胞による貪食に重要であることを見出した。
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