IBD患者の腸管組織において増加する代謝産物および発現が上昇するGPCRsに焦点をあてた本研究課題では、細菌由来LysoPS-P2Y10受容体シグナルがTh1細胞の解糖系活性化を介してクローン病の増悪に関与すること、UDP-glucose-P2Y14受容体シグナルが好酸球を活性化することで潰瘍性大腸炎の重症化に関与することを明らかにした。これらの成果から、P2Y10受容体アンタゴニスト・LysoPS産生酵素(ホスホリパーゼA)阻害剤・E. coliなどがクローン病の創薬標的となる可能性、P2Y14受容体アンタゴニスト・ERK1/2阻害剤などが潰瘍性大腸炎の創薬標的となる可能性を示した。
|