研究課題
胚中心B細胞におけるBCR発現量の違いが記憶B細胞分化に寄与するのか、その因果関係の証明のため、表面発現量および抗原親和性の定量化を可能とする実験系の構築を試みた。Bcl6蛍光レポーターマウスにハプテン-タンパク抗原で免疫し、10日から2週後の脾臓より分化選択中の胚中心明領域B細胞と、記憶B前駆細胞集団をセルソーターで検出し、シングルセル単離を行った。このときインデックスソーティングにより細胞表面BCR(IgG1)発現量情報を取得しておいた。このシングルB細胞よりBCR遺伝子断片をクローニングし、リコンビナント抗体の作製、抗原との親和性測定を実施した。各populationにつき数10クローンの抗体の作成が完了し、親和性と細胞表面発現量を連結させたBCR配列情報の取得に成功した。
2: おおむね順調に進展している
胚中心明領域B細胞と、記憶B前駆細胞集団それぞれにつき、予定していた各数10クローンずつの抗体の作成が完了し、親和性と細胞表面発現量を連結させたBCR情報の取得に成功した。
得られたBCR配列より親和性が同程度であるが細胞表面発現量の異なる配列を選択し、マウスB細胞の免疫グロブリン遺伝子座にCRISPR/Cas9を用いて内在性のIgh遺伝子を切断し、選択したBCR配列をノックインする。このB細胞をマウス個体に養子移入し、ハプテン-タンパク抗原で免疫することで、BCRノックインB細胞の活性化、胚中心への分化を誘導する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Frontiers in Immunology
巻: 12 ページ: 825813
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Journal of Experimental Medicine
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