我々はこれまでの研究で、胚中心に存在する記憶B前駆細胞を同定し、胚中心に留まる、あるいはプラズマ細胞に分化するB細胞集団と比較して、記憶B細胞に分化する細胞は表面B細胞受容体(BCR)の発現が高いことを見出していたが、その生理的意義は不明であった。本研究ではヘテロジニアスな胚中心B細胞集団のなかで、BCR発現の勾配を生み出している要因について探索した。我々が開発したシングルB細胞解析技術を用い、抗原親和性が同等で表面発現量の異なるBCRノックインB細胞を作成し、in vivoにおける分化を解析したところ、B細胞表面BCR発現量の差が記憶B細胞への分化効率に影響を与えることが示唆された。
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