本研究では、加齢性B細胞で発現が高い遺伝子としてFcrl5を同定した。Fcrl5のB細胞特異的トランスジェニックマウス(Fcrl5-BTg)の解析を行なった。その結果、Fcrl5-BTgマウスが老化により自己免疫疾患を自然発症することがわかった。さらに、イミキモド誘導性のSLE様の自己免疫疾患が野生型に比べて病態が増悪することも観察された。メカニズムとして、HEL-BCR/sHELのB細胞アナジーモデルを用いることで、Fcrl5の発現上昇がアナジー破綻を誘発することが判明した。異常なFcrl5発現上昇がB細胞免疫寛容の異常を引き起こし、自己免疫疾患発症に関わると考えられる。
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