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2022 年度 実績報告書

CARとCIML NK細胞を用いた新規固形癌治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21H02789
研究機関札幌医科大学

研究代表者

宮西 浩嗣  札幌医科大学, 医学部, 准教授 (60372819)

研究分担者 久保 智洋  札幌医科大学, 医学部, 助教 (00634669)
加藤 淳二  札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
大須賀 崇裕  札幌医科大学, 医学部, 助教 (40619714)
田中 信悟  札幌医科大学, 医学部, 助教 (60561024)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードNK細胞 / 膵臓癌 / CAR
研究実績の概要

Chimeric antigen receptor(CAR)を用いた遺伝子改変T細胞療法(CAR-T療法)は、B細胞性腫瘍に対して劇的な治療効果をもたらした。更にallogenic source を用いたCAR-NK 療法がB細胞性腫瘍に対してCAR-T療法と同等の効果があることが報告され、同治療ではCAR-T療法に比べ、cytokine release syndromeや重篤な神経毒性の出現が少なく、安全性が高いことが示された。しかしながら固形腫瘍、特に膵癌に対するCAR-NK療法の効果に関しては、造血器腫瘍に対するCD19 CAR療法の劇的な治療効果と比較すると抗腫瘍効果は限定的であり、その免疫阻害の克服方法が問われている。本研究においては、CARコンストラクトにIL-12/15/18を組み込んだ”armored CAR-NK”(IL-12/15/18を自己分泌する)を作製し、膵癌細胞株に対する抗腫瘍効果を検討することを目的とした。これまでに前段階としてIL-12/15/18でNK細胞を刺激して作製したCytokine Induced Memory Like (CIML) NK細胞が、実際に膵癌に対して抗腫瘍効果を発揮するかどうかを検討するため、複数の膵臓癌細胞株とCIML NK細胞を共培養し、7AADおよびAnnexin Vを用いてアポトーシスを解析したところ、コントロールNK細胞(IL-2での刺激のみ)と比較し、有意にアポトーシスを誘導することを示した。以上より当該年度の研究において、通常のCAT-NKと比較し、本研究で作成を予定しているarmored CAR-NKはより膵癌細胞に対してより高い効果を発揮できる可能性を示す貴重なデータを得られたと考える。CARコンストラクトを反映したレトロウイルスベクターの作製は難航しており、プラスミドベクターの構築を並行している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本来は昨年度中に上述のCARコンストラクトを反映したレトロウイルスベクターを構築し、実際にNK細胞に形質導入予定であったが、ベクター構築を委託していた海外企業から製品納入が遅れている状況であるため遅れている。並行してCARコンストラクトを反映したプラスミドベクターを設計し、今後作製した後に解析を進める。

今後の研究の推進方策

CARコンストラクトを反映したプラスミドベクターが得られ次第、NK細胞にエレクトロポレーションにより形質導入する。in vitroにおいて、形質導入の7日後、コントロールNK細胞、CAR-CIML NK細胞をTarget細胞と共培養し、培養上清を収集して、ELISAによりIFNγ、TNF-αの産生を測定する。CAR-CIML NK細胞の増殖を評価するためにコントロールNK細胞、CAR-CIML NK細胞に外因性サイトカインを添加せずに、Target細胞で週に1回刺激を与える。 細胞を培養し、毎週トリパンブルーを用いてcell カウントする。抗原刺激時のCAR-CIML NK細胞の細胞分裂を測定するために、コントロールNK細胞、CAR-CIML NK細胞をCFSEでラベルする。 次に、NK細胞をTarget細胞で刺激し、FACSによりCFSEの希釈を測定する。 抗原刺激時のNK細胞死を測定するために、アネキシンV /7 AAD染色とFACS分析を使用する。Target細胞をCFSEで標識し、その後CAR-CIML NT細胞と共培養後にFACSで分析する。 in vivoにおいて抗腫瘍効果を測定するために、マウスにFFLuc遺伝子で標識されたTarget細胞を皮下注射する。腫瘍が発光によって測定可能になった際に、マウスにコントロールNK細胞、あるいはCAR-CIML NK細胞を投与し、Xenogen-IVIS Imaging Systemを使用して腫瘍量を評価する。

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公開日: 2023-12-25  

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